心理カウンセラーのお仕事

カウンセリング大国ーアメリカ

アメリカはカウンセリングの先進国と言えるくらい、日常的にカウンセリングを受ける人がたくさん存在します。映画を見ていても、アメリカの映画にはカウンセリングのシーンが良く登場すると思いませんか。それと比較して、日本での心に支援体制はまだまだアメリカのそれには追いついていないと言わざるを得ません。

 

十年程前の日本では、子供に関する悩みを抱えた親が医師から紹介されたカウンセラーに悩みを相談したところ、
「その程度の問題は家庭内で何とかしてください。あなたよりも深刻な人もいますし、忙しいんですよ。」というニュアンスの事を言われて、あまりにも冷たく感じて落胆してしまったということもあったようです。十年前は今以上に心の問題が深刻に捉えられていなかったようです。

 

心理面のケアが重要だと認識されてきたのは、ここ数年なのではないでしょうか。十年前には心理面のケアに関するシステムがまるで整っていませんでした。その頃と比較すれば、徐々に心理面のケアの必要性は認識されつつはありますが、まだまだ万全だとは言えません。心の問題を抱えた人に対する偏見は相変わらず強いですし、世間体を気にしてか、悩みを抱えていたとしてもなかなかカウンセラーに相談しに行く事のできるクライアントもそれほど多くありません。深刻な状況になっていながらも1人で問題を抱えているという人もたくさん存在します。

 

そういう背景もあり、カウンセラーがいざ独立開業をしようと考えた時に、果たして看板は目立たないようにした方が良いのか、それともわかりやすくした方が良いのかと頭を悩ませることもあるようです。

 

昨今の日本には心の問題を抱えている人がたくさんいます。ですから、アメリカのように、カウンセリングを気軽に受ける事ができる社会を作る事が必要ではないでしょうか。それと同時にあまりにも低いカウンセラーの地位や収入面を整える必要があると言えるでしょう。

 

日本でのカウンセラーは多くの場合が無報酬でボランティアとして行っているケースがほとんどです。ところがクライアントはお金を払うことで遠慮することなくカウンセラーに心の奥底に抱えている悩みを打ち明けることができるのです。

 

アメリカではカウンセリングを受けることは一般的になっています。クリニックは日常生活の一部として溶け込んでおり、カウンセリングに対して抵抗を抱いている人はほとんどいません。

 

アメリカは多言語国家ですし、文化も様々です。時にコミュニケーションがしづらい時も多く、悩みを抱えたままにしておかず、悩みが発生したらすぐに解決していく必要のある社会であると言えます。

 

このような社会的な理由があるので、カウンセリングは気軽に受けることができるようになっています。学生でも、教師でも、カップルでも企業の社長であっても、実に様々な年齢層のあらゆる立場の人々が気軽な気持ちでカウンセリングを受けている光景が普通なのです。

 

アメリカではクリニックの数は美容院の数ほどあるとも言われていますので、どれだけ日常生活に密着しており、需要があるのかもわかります。

 

それではアメリカでカウンセラーになるためにはどのようにしたら良いのでしょうか。まず、アメリカのカウンセラーの場合は最低条件として、心理学の博士号(Ph.D.)を大学院で取得することが掲げられています。心理学の博士号にも、臨床心理学(Clinical Psychology)とカウンセリング心理学(Counseling Psychology)の2種類が存在し、アメリカにおいて独立開業する際には博士号を取った後に必ず資格試験に合格する必要があります。また、倫理規定も非常に厳しいのがアメリカです。

 

アメリカのクリニックのカウンセラーは、非常に厳しい審査を通過した経験豊富な人だけがなることができます。色々なことを経験した人であるが故に、個人の悩みにしっかりと対応することができるのです。

 

日本のカウンセラーと良く似た仕事をしているのはソーシャルワーカーと呼ばれる人たちです。

 

ソーシャルワーカーは病院や福祉施設で心理関連の仕事をする人のことを指し、修士レベルのLCSW(Licensed Clinical SocialWorker)という資格を所有しています。ソーシャルワーカーは病院や福祉施設のクライアントの社会復帰をカウンセリングを通じてサポートしていきます。

 

郡や州における社会福祉機関では、ソーシャルワーカーの育成に努めています。そして今度はソーシャルワーカーが地域の住民を支えていくというシステムが確立されているわけなのです。